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●「子どもに「ホームレス」をどう伝えるか」生田武志、北村年子 [読書レポート]

「子どもに「ホームレス」をどう伝えるか いじめ・襲撃をなくすために」藤田和男監修ホームレス襲撃事件といじめには繋がりが…


子どもに「ホームレス」をどう伝えるか

子どもに「ホームレス」をどう伝えるか

  • 作者: 生田 武志
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2013/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


読了日:2014.1.20
分 類:一般書
ページ:213P
価 格:1200円
発行日:2013年7月発行
出版社:太郎次郎社エディタス
評 定:★★


●作品データ●
---------------
テーマ :ホームレス襲撃・いじめ問題の初等教育
語り口 :講演(口述)
ジャンル:一般書
対 象 :初等教育者向け
雰囲気 :比較的、一面的
装丁・本文デザイン :箕浦 卓
挿絵・漫画 :ありむら潜
---------------

【100字紹介】
現状をどのように子どもに教育し、
蔑視からくる子どもによるホームレス襲撃を止めるか。
ホームレス襲撃の心理に潜む「いじめ」についても考察。
思い込みからの差別や不安や不満が、弱いものへ噴出する現状を考える。



「ホームレス問題」に興味をひかれて、この本を手に取りました。
しかし、看板に偽りなし。タイトル通りです。
「ホームレス」問題に取り組んだり、解決策を考えたりは一切せず、
「現状をどのように子どもに教育し、蔑視からくる子どもによる
ホームレス襲撃を止めるか」に集中する本でした。
勝手に、ホームレス問題を考えるのかな、と思って読み始めたので、
拍子抜けしてしまったのですが、もう一度タイトルを見て、
勝手に誤解したのは自分だ、と反省した次第。


本書は大きく分けて、4パートから成っています。
1つ目は「高校生へ」という講演。
2つ目は「教職員へ」という講演。
3つ目は「中学生へ」という講演。
これに、ホームレス問題の授業づくりのための資料がくっついて4パート。

基本的にはどれも同じようなもの。
特に2つめと3つめは同じ人の講演なので、
語り方が異なるだけで、内容は重複という感じ。
どちらかというと、前半の生田氏は「構造」などの社会的な話、
後半の北村氏は個人の情緒的・心理的な話でした。

ホームレスは自ら望んでなるものではなく、やむにやまれぬ事情…、
しかも個人的ではなく、社会構造的な問題によりはじき出された人たちが、
段階を踏んで落ち込んでいくもの。また、一度落ちると、
階段の高さがあまりにも高いため、戻るのは困難であること。
皆がタブー視し、実情を知ることなく思い込みによる蔑視により
避けるような行動をとるために子どもにも蔑視が刷り込まれ、
「ホームレス襲撃」が絶えないこと。
また、「頑張らない人々の駆除」というような言い分で、
思い込みからの差別により、犯人はホームレスの人権を認めず、
重大な結果を引き起こしても反省が見られない場合も多いこと。
普段の生活で不安・不満を抱えた「心のホームレス」の暴走が、
いじめやホームレス襲撃に繋がっていること。
無関心こそが最大の暴力。
後半にいくほど、ホームレス問題は無関係になり、いじめ問題の話へ。


全体に、「なるほど」という点は多かったです。
ただ、特に後半は押し付けがましさが気になりました。
非常に見方が一面的で、ここで出てくる授業は「誘導」以外の何者でもない、
というのが、非常に居心地が悪いのです。
ホームレスだって、良い人も悪い人もいることでしょう。
ただ、授業開始前の時点ですでに、
見方が一方的になっている事案に対する教育というのは
こういうものかもしれません。
悪い方一点張りを、ショック療法でも何でも、打破しないといけないわけで。

しかし、もう少しホームレス問題自体にも踏み込んで貰いたかった、
というのが正直なところ。まあ、そこまではこの厚さでは難しいでしょうか。


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文章・展開 :★★
簡 潔 性 :★★★
学 術 性 :★★
独 自 性 :★★★★
読 後 感 :★★
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